ツイニング・プログラムとは、大学の教育課程のうち、本国で一部を学んだ後、日本で残りを勉強して学位を取得するプログラムです。モンゴル科学技術大学のツイニング・プログラムに入学した学生は、2年半をかけて日本語や専門科目を学び、本邦大学への留学へ向けて準備をします。本事業では、ツイニング・プログラム協力校として国立大学10校がコンソーシアムを形成し、編入試験を実施した上で学生を3年次に編入させています。また、集中講義やファカルティディベロップメント推進のための教員をモンゴル科学技術大学に派遣したり、モンゴル科学技術大学の教員を受け入れて研修を行っています。学生は10校の大学のいずれかに編入し、後半2年間の大学教育を通して専門的な技術・知識を身につけます。卒業後はモンゴルに帰国し、エンジニアとして活躍することが期待されています。
ツイニング・プログラムの学生がモンゴル科学技術大学在籍中の2.5年間で履修するカリキュラムは、コンソーシアム大学の協力のもとで開発されました。これに加えて、指導法や評価方法なども、モンゴル科学技術大学の教員が本邦のコンソーシアム大学で受けた研修内容をもとに、改善を行っています。ツイニング・プログラムでは、モンゴルの学部教育の改善を行うことも大きな特徴となっています。
モンゴル工学系高等教育支援事業(M-JEED)
期間 : 2015年8月 ~ 2024年7月
発注者 : モンゴル教育・文化・科学・スポーツ省
モンゴルは豊富な鉱物資源を背景に、近年急速に経済発展が進んでいます。しかし、その経済成長を支える、高い技術や豊富な知識をもった人材の育成という課題を抱えていました。特に工学系の高等教育機関では、教員の質・量の向上や国際的な潮流に合致したカリキュラム・シラバスの開発が必要となっています。
このような背景のもと、2015年にスタートした本プロジェクトは、日本とモンゴル政府の間で締結された円借款事業です。首都ウランバートル市にあるモンゴル科学技術大学およびモンゴル国立大学が、本事業の対象機関となっています。プロジェクトでは、本邦高専・大学への学位留学や、モンゴルの大学のカリキュラム・シラバス改善、本邦大学との共同研究、研究機材の調達などを通じて、両大学をソフト・ハードの両面から支援し、工学系教育の質の向上および研究者・エンジニアの育成に資することが期待されています。
Asia SEEDはコンサルタントとして、現地のプロジェクト運営事務局をサポートするとともに、日本側の受入機関や本邦留学中の留学生と密接にコミュニケーションをとりながら、事業の円滑な実施を支援しています。
高専留学プログラム
高専留学プログラムとは、産業界に資するエンジニアの早期育成のためのプログラムです。モンゴル科学技術大学の高専留学プログラムに入学した学生は、1.5年間をかけて日本語授業、理数系科目の授業を学び、編入試験を経て本邦高専に留学します。学生は国立高専51校での3年間の専門的な工学系の授業を通じて、実践的な技術・知識を身につけます。卒業後はモンゴルに帰国し、エンジニアとして活躍することが期待されています。
ツイニング・プログラム
共同研究プログラム
共同研究プログラムでは、本事業の対象となっているモンゴルの両大学と、日本の約40の大学及び研究機関が共同で研究を行い、研究活動を通じてモンゴルの大学の人材の育成、研究環境の整備、研究の質の向上と研究能力の強化を行います。具体的には、モンゴル人教員・研究者を日本の大学に派遣して学位取得を目指す「修士・博士課程留学プログラム」、モンゴル人研究者の本邦での研究を支援する「ノンディグリープログラム」、日本人研究者のモンゴルでの研究を支援する「ビジティングスカラープログラム」が行われています。また、必要な研究機器・機材をモンゴル国立大学・モンゴル科学技術大学に供与する「機材調達」も行われています。
JICA ODA見える化サイト 工学系高等教育支援事業
https://www.jica.go.jp/oda/project/MON-P11/index.html