インドネシア共和国高等人材開発事業(PHRDP)1-3
期間 : 1991年 ~ 2014年
発注者 : インドネシア政府(国家開発企画庁(BAPPENAS)、財務省及び技術評価応用庁(BPPT))
本事業は、インドネシアの科学技術の発展及びインドネシア政府の地方分権化に対応した行政能力向上のため、科学技術人材や公共政策や財政部門に携わる中央政府および地方政府における行政官の資質・能力向上を目指した人材育成プログラムです。1991年に実施した案件形成促進調査に基づいて開始され、Asia SEEDは 前身のJIF時代から20年以上にわたって事業の発展及び人材育成にかかわりました。本邦大学への学位留学だけでなく、インドネシアと本邦大学でのリンケージプログラムや、テーマに応じた短期研修まで、円借款という性格を活かした大規模で多様なプログラムを展開したのが本事業の特徴です 。本事業は円借款による人材育成事業の初期事業の一つであり、その後の円借款人材育成事業のモデルにもなっています。第1期から3期を通し、実に3,000人を超える留学生 が派遣されました。留学生は帰国後、留学で得た高度な知識や技能を活かして、地域・国家が抱える開発課題の解決や行政機能の質向上に貢献しています。第3期事業終了後は第4期が継続実施されています。
大規模でユニークなダブルディグリープログラム
2007年に始まった第3期事業(PHRDP3)では、ダブルディグリープログラムである修士リンケージプログラムが導入され、事業の中で最も規模の大きなプログラムとなっています。派遣された留学生は、1年次にインドネシア側大学、2年次に本邦大学においてそれぞれの修士課程を修学し、最終的に双方の大学から修士号の学位を取得しました。本邦大学側は13大学19研究科、インドネシア側は5大学8プログラム が参加し、7バッチを通じて約740名が派遣されました。インドネシア・日本双方の多数の大学が関わりながら毎年100名以上の留学生を派遣したという点で、国際的にみても大変ユニークなプログラムといえます。また本プログラムは、日本とインドネシアの高等教育機関の国際化、双方の大学の関係強化にもつながりました。
日本とインドネシアの橋渡しとなるAsia SEEDの支援
Asia SEEDは、日本で初めて事業化が試みられたEEO(Educational Exchange Office)として本邦留学支援全般に係るコンサルティング業務を担当しました。その内容は、留学・研修プログラムの企画、留学・研修先の大学・機関の選定、出願・入学手続き、留学生の生活基盤確保、渡航支援、財務、在学中の留学生・研修生のモニタリング及びカウンセリング、大学・研修機関との調整等、非常に多岐にわたります。日本ではほかに例をみない大規模なダブルディグリープログラムをはじめ、多種多様なすべてのプログラムを円滑に実施するため、Asia SEEDはインドネシア政府やインドネシア側大学、本邦大学の橋渡し役として、本事業の成功に寄与しました。