インドネシア国行政官人材開発に係る情報収集・確認調査
期間 : 2022年9月 ~ 2023年8月
発注者 : 独立行政法人国際協力機構(JICA)
調査の背景
インドネシア政府は、国家開発計画において、急速な社会の変化に対応するため、専門性や創造力、競争力を有した有能な行政官の育成を目指しており、行政官の任用や育成に関する抜本的な改革がなされている。行政官の海外留学・研修事業の実施を通して、政策立案や計画業務に携わるプランナーの育成を担っている国家開発企画庁(Bappenas)の企画官育成教育訓練センター(Center for Planners Development, Education and Training: CPDET)は、その専門性・能力の向上のために制度や運用の改善を目指しており、また具体的な能力開発手法としてこれまでの円借款事業(高等人材開発事業)の経験を踏まえつつ、本邦機関のリソースを活用することを検討している。
調査の目的
インドネシアにおける行政官の能力管理・開発システムおよび人材育成策の現状や課題の確認・分析を行うとともに、インフラ、国際関係・政治、IT/デジタルの3分野を中心とした人材育成プロジェクト(Strengthening Apparatus Management and Development Project(SMART))に係る支援ニーズに関する情報収集と分析を行い、今後のJICAの協力可能性と具体策を提言する。またCPDETに対して具体的なプログラム案を提言する。
調査の概要
行政官人材の現状を把握するため、人材開発に関するインドネシア政府及び関係機関の方針と連携体制、研修のターゲットとなり得る人材の所属先機関の情報、行政官人材開発の課題、他ドナーによる行政官人材開発分野の実績・基礎情報等についての情報収集を日本国内にて行い、その後現地に渡航し、関連機関(複数の省庁・民間セクター)へのインタビュー、アンケート等を通して、行政官人材のパフォーマンス・成果に対するインドネシア政府の自己評価、行政官人材開発の具体的ニーズの洗い出しを行った。その後、インドネシアの行政官人材の課題解決に資するプログラム・インドネシア側が希望している人材育成プログラムの実施可能性について、日本国内の機関(地方自治体、大学、省庁等)に対してヒアリングを行い、プログラムの候補となる案をまとめていった。複数回の現地調査期間中、Bappenas内の関連部局及び他省庁とのディスカッションを通じて、最終的には、20を超えるサブコンポーネント(研修手法の改善、データ分析、インフラ運用、オンラインプラットフォーム構築、インドネシア行政官の日本におけるOJT研修等)からなるプロジェクト案を提案し、実施スケジュール・資金計画等SMARTプロジェクトの骨子を作り上げた。